親知らず 人生、思い切りも必要

2年ぶりの口腔外科は、前回担当だった先生が異動になっていて、年配の女医さんが担当してくれることに。

レントゲンと私の口の中を見て、一泊入院で静脈内鎮静法を使った抜歯にしましょうと方針を決めてくれた。

静脈内鎮静法とは、全身麻酔ではないけれど、夢の中に連れて行ってくれる、人によっては記憶がまったくないっていうこともあるらしい、歯科治療が苦手な人や困難な抜歯をする人に向いている治療法だそう。

私は歯科治療に苦手意識があるし、もうそれで!なんなら気絶させてもらいたいくらいなんで!!と先生にお願いをした。

「…で、何本抜きましょうかね?」

え、右の上だけじゃないんですかね…?

「右の下もね、その横の歯との隙間が虫歯になりかかってるのね。あと、左の下はね、横向きに生えちゃってるのよね。左の上は…これはまったく見えてないから、あえて掘り起こす必要はないですね。」

頭の中で、いろんなことが渦を巻く。

1本ずつ抜くとすると、3回怖い思いをするってことね。。

右の上下を抜くとすると、術後、左側は無事だけど、またやらなくちゃいけないってことね。。

3本まとめて…いっちゃう?え、いっちゃう??そしたらもう一生この思いはしなくてもいい。けど…え…えー

「先生…わたし…3本いっちゃおうかな?」

このとき、私、見逃さなかった。
先生、今、笑った?

「3本…いっちゃう?ほんと?んーでもいっちゃおうか?子供さん、小さいんだもんね。何回かに分けると、そのたびに入院ってなっちゃうしね。」

そんなわけで、2020年秋。
屋根の訪問詐欺未遂からリスタートした私の親不知、一泊入院まさかの3本まとめ抜き!に決定。